8-2.使役文

■使役文も表現の強弱によって単語を使い分ける。
Mẹ cho con đi chợ. (母は子供を市場に行かせた)
Để cô ấy tỏ ra ý kiến. (彼女に意見を述べさせておく)
Mẹ em bắt em phải chăm học. (母親は子供に勉強するように言った)
■ 使役文の構造
使役文の構造は受動文と共通。つまり、
使役文:[主語] + [使役を表す語] + [人] + [動詞]([主語]が[人]に~させる)
受動文:[主語] + [受動を表す語] + [人] + [動詞]([主語]が[人]に~される))
このようになっている。 この基本形の上に、使役のニュアンスや文全体の主語によって使役を表す語を使い分ける。
主な使役を表す語は以下のとおりです。
1. cho + [人/もの] + [動詞] (~させる)
一般的な「~させる」という意味の言葉です。文全体の主語には大抵の場合、人。
例)
Mẹ cho con đi chợ. (母は子供を市場に行かせた)
Giám đốc cho các nhân viên đi tìm khách hàng mới. (社長は社員に新しい客を探しに行かせた)
Công nhân cho máy chạy. (工員が機械を動かす)
[人]の位置に一人称を持ってくる場合、大抵 “xin” などを伴って「私に~してください」という意味になります。
Xin cho tôi biết. (私に教えてください)
Cho tôi xem. (見せてください)
2. làm + [人] + [動詞/形容詞] ([人] によって ~ になる)
“làm” はもともと「作る」「する」の意味を持つことから、「結果として~になる」「[人] によって~になる」という原因・結果構文に近い意味を持つ。
例)
Tai nạn giao thông làm tôi không kịp. (交通事故のせいで間に合わなかった)
Bài học chán ấy làm các sinh viên buồn ngủ. (その文章がつまらないので学生たちは眠くなった)
3. để + [人] + [動詞] (~させておく)
使役を表すほかの言葉と同様、”để” もまた動詞から派生した言葉で、もともと「置く」「据える」という意味を持つ。
そのため、”để” を使うことで「邪魔せずに放任しておく」「自由に任せておく」といった意味になる。
例)
Để cô ấy phát biểu ý kiến. (彼女に意見を述べさせておきなさい)
Anh ấy thì không cần giúp đỡ, để anh ấy tự làm. (彼には助けは要らない、ひとりでやらせなさい)
ただし、後に来るのが形容詞だった場合には「~にしておく」という維持の意味になり、使役的な意味は失われる。
例)
Chúng ta phải để phòng sạch sẽ. (私たちは部屋をきれいにしておかなければならない)
4. bắt + [人] + phải + [動詞] ((強制的に)~させる)
文全体の主語が人間であった場合、ある人が別の人を自分の思うとおりに行動させる意味を持つ。
例)
Mẹ em bắt em phải chăm học. (母が私に勉強させた)
ここでは、「母親」が「私」を「勉強させたいという思い」のとおりにしている。
5. khiến + [人] + [動詞] (~するように言う/[人] によって ~ になる)
無生物を主語にとって “làm” 同様「[人] によって ~ になる」という因果関係を示す表現になる。
例)
Cái gì khiến anh ấy nói như thế? (なぜ彼はそのように言ったのか)
Tiếng cãi nhau khiến hàng xóm khó chịu. (けんかの声で近所の人は不愉快になった)

コメント