第58期王座戦挑戦者決定戦。藤井猛vs深浦康市

開始日時:2010/07/30 10:00:00
表題:第58期王座戦挑戦者決定戦
棋戦:王座戦
戦型:藤井矢倉
持ち時間:各5時間
場所:東京・将棋会館
先手:藤井猛
後手:深浦康市
*当時の藤井は勝率が悪い時期であったので逆にチャレンジしてみたという。
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*藤井は矢倉早囲いでやりたい手があったという。
*みんなと同じ矢倉を真似るだけでは勝てない。
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*先手番で採用する戦法が何かないかと考えていたという。
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*居飛車党が相振り飛車で仕掛けてくるので、逆に振り飛車党のこちらから居飛車を仕掛ける。
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*大事な一戦であったが気にせず挑んだ。
▲7六歩 △3四歩 ▲6六歩
*先手番でこの手で、当時は矢倉には向かないとされていた。
△6二銀
*飛車先を保留する。
▲5六歩
*工夫の手。
*これでまったく違う展開が可能となる。
△5四歩 ▲4八銀
*藤井自身は何とも思っていなかったが、まわりが驚いたという。
△4二銀 ▲5八金右 △3二金 ▲2六歩 △4一玉 ▲6七金
*左の銀を動かさない。
△3三銀 ▲7八銀
*左美濃の陣形をつくる。
*藤井矢倉の3段階。
△7四歩 ▲3六歩 △5三銀
*急戦狙い。
*藤井矢倉の早囲いの展開にならないのではないかと思ったという。
▲2五歩 △8四歩 ▲3七桂 △4四歩 ▲6八玉 △3一角
▲7九玉
*当時のA級トッププロに矢倉を試してみたいという楽しみが強かったという。
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*この左美濃の形は今では時々出てくる形であるが、
*当時はこの手はあんまり流行っていなかった。
*藤井が流行を先取りしている。
*藤井システムの振り飛車を矢倉に取り入れた形となった。
△8五歩 ▲4六歩
*飛車先を受けずに仕掛ける。
△8六歩
*実は、これが敗着。
*二手損してしまう。
*△5二金が必要な手だった。
▲同 歩 △同 飛 ▲8七歩 △8二飛 ▲4五歩
*これが後手は取れない。
△5二金 ▲6五歩
*大きい手。
△4三金右 ▲4七銀
*大きい手2。
△4二角
*飛車先の歩突きで二手損。
*この角が出遅れてすでに苦しい。
▲5五歩 △同 歩 ▲4六銀
*藤井は既にこの局面で指しやすく感じたという。
*こんなに簡単に良くなってしまったと驚いた藤井。
△3一玉 ▲5五銀 △5四歩 ▲4四歩 △同銀右 ▲同 銀
△同 金 ▲4五歩 △5五金
*勝負手。
▲4四歩
*有利だが、まだ油断ならない。
*時間を使って慎重に考えていく。
△4三歩 ▲同歩成 △同 金 ▲2四歩 △同 歩 ▲2五歩
△同 歩 ▲5六歩 △6五金 ▲2五桂 △5五歩 ▲6六金
*手駒を増やしに行く。
△同 金 ▲同 角 △6五金 ▲2三銀
*詰めろ。
△5一角 ▲6二歩
*手筋。
*1歩千金。
△4二玉 ▲3三桂成 △同 桂 ▲3四銀成
*会心の手。
*△同金は▲5四銀で必勝。
*
*決め手。
△2七歩 ▲同 飛 △2六歩 ▲4七飛 △4六歩 ▲4四歩
△5三玉 ▲4三歩成 △6二玉 ▲5二と
*自玉が盤石なので思い切った寄せが出来る。
△同 玉 ▲7一銀
*飛車を取れば勝ちと判断。
△8三飛 ▲4六飛 △4五歩 ▲8二金 △4三銀 ▲8三金
△6六金 ▲7二飛 △5三玉 ▲4三成銀 △同 玉 ▲4四歩
まで97手で先手の勝ち

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