第64期A級順位戦。藤井猛vs佐藤康光

開始日時:2006/01/16 10:00:00
表題:第64期A級順位戦
棋戦:順位戦
戦型:相振飛車
持ち時間:各6時間
場所:東京「将棋会館」
先手:藤井猛
後手:佐藤康光
*この時代。相振り飛車が流行した。
*居飛車党が相振り飛車を指しだした。
*これは7回戦であるが、藤井はこの年の順位戦でここまで相振り飛車が3局たった。
*これは4局目。
*居飛車党が多い中で異常な時期だったとも言える。
*
*このころは先手の勝率が高く。
*前例の少ない将棋を後手は目指した。
*力戦形や相振り飛車が流行った原因か。
▲7六歩 △3四歩 ▲6六歩
*当時の藤井はこの手一本という感じであった。
△3二飛
*軽快な三間飛車。
*藤井もたまにはやってみたかったらしい。
▲7七角 △4二銀 ▲7八銀 △6二玉 ▲6七銀 △7二銀
▲8八飛 △7四歩
*当時はまだ相振り飛車で矢倉にする定跡がなく。
*対策は自ら考えていかなければならなかった。
*当時はこの手に戸惑ったという。
▲3八銀 △4四歩
*工夫の手。
*△5四歩から△5三銀とする形は桂馬の目標にされる。
▲4八玉 △4三銀 ▲5六銀 △5四銀
*居飛車党らしい手。
▲6八飛
*この形に対しては四間飛車が有効だと判断した。
△7三銀
*この当時。
*相振り飛車では大抵は美濃や金無双が一般的だったが、矢倉というのは、当時、藤井はなかなか苦戦したという。
▲3九玉 △5二金左 ▲4六歩
*基本的にはあんまりよい手ではないが、この局面では有効と判断した。
*
*ここで▲2八玉とするのは危険な手。
*▲5八金も早すぎる。▲3八金としたい展開も考えられる。
△3三角
*長考したが地味な好手。
*流石だと関心した藤井。
▲6五歩 △2二飛
*2筋が急所を見抜く。
▲9六歩 △2四歩 ▲9七桂
*水面下で高度な駆け引きがあった序盤だった。
*
*出来る限り駒組を省略して仕掛ける準備。
*藤井システムの考え方に似ている。
△2五歩
*ここが急所である。
▲8五桂 △8四銀 ▲8六歩 △2六歩 ▲同 歩 △同 飛
▲2七歩 △2五飛 ▲4五歩
*あえて玉から遠いところを攻める。
*矢倉は横から弱いという感覚で仕掛けたという。
△7五歩 ▲4四歩 △7六歩 ▲6六角 △7七歩成 ▲同 角
△7五銀 ▲7四歩 △8四歩 ▲7三歩成 △同 桂 ▲7四歩
*手筋。
△8五歩 ▲7三歩成 △同 玉 ▲8五歩
*味の良い手。
△8六歩 ▲7六歩 △同 銀 ▲8六角 △8五銀 ▲9五角
△8四歩 ▲6四歩
*味かよい手。
△4四角 ▲6三歩成 △同 金 ▲5五桂 △6二金引 ▲6四歩
△7一桂 ▲7七角 △8三玉 ▲4五歩 △3三角 ▲8八角
△7四銀
*良い辛抱。
▲6三歩成 △同 桂 ▲同桂成 △同銀左 ▲3三角成 △同 桂
▲9五桂
*ここではいろいろな手があった。
*あまり効率の良くない手だったという藤井。
△7三玉 ▲5五角 △6四桂
*歩があれば▲6五歩で先手優勢だが歩切れ。
▲3三角成 △5六桂 ▲同 歩
*悪手。▲5五馬なら互角だった。
△5七角 ▲2八玉 △4五飛
*好手。
*△6八角成と飛車をとるのは大したことがない。
▲8六桂
*勝負手。
*普通に▲5五桂だと勝てないと判断。
△6七歩
*当然のような手だが▲8六桂のお付き合いの悪手。
*△4九飛成で勝ちだった。
▲7八飛 △7五銀 ▲5八金左
*美濃囲い完成。窮地を脱する。
△4六角成 ▲3四馬
*この手が大きい。
△7七歩 ▲同 飛 △7六歩 ▲4七歩 △7七歩成 ▲4六歩
△6五飛 ▲7四歩
*▲8六桂が有効になった手。
△6四玉 ▲6一馬
*これが取れるのは大きい。
△8六銀 ▲6二馬 △7五玉 ▲5五金 △同 飛 ▲同 歩
△6八歩成 ▲8四馬
*勝ちを決める手。
△同 玉 ▲8三飛
*▲9五桂まで効いてきた。
*勝つときはこういうもの。
△7五玉 ▲8五金 △投了
*相振り飛車は縦将棋。
*振り飛車党は横の将棋が得意と言われる。
*
*相振り飛車は居飛車みたいな感覚となる。
*なので振り飛車党が居飛車の将棋を研究するのも良いことである。
まで121手で先手の勝ち

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