相穴熊の激戦があるので取り上げてみたい。
開始日時:2007/03/16
棋戦:竜王戦
戦型:四間飛車の相穴熊
持ち時間:5時間
消費時間:▲294△203
場所:東京「将棋会館」
先手:佐藤天彦
後手:広瀬章人
*棋戦詳細:第20期竜王戦6組ランキング戦3回戦
*「佐藤天彦四段」vs「広瀬章人四段」
▲7六歩 △3四歩 ▲2六歩 △4四歩 ▲4八銀 △4二飛
▲5六歩 △6二玉 ▲6八玉 △7二玉 ▲7八玉 △3二銀
▲5七銀 △8二玉 ▲7七角 △4三銀 ▲2五歩 △3三角
▲8八玉 △5四銀
*決断良く早めに出る。▲6六歩を早く突かせたい。
▲6六歩 △9二香 ▲9八香 △9一玉 ▲9九玉 △8二銀
▲8八銀 △7一金 ▲5八金右 △5二金 ▲7九金 △7四歩
▲6八金寄 △6二金寄 ▲3六歩 △4五歩
*▲3八飛とまわって▲3五歩△同歩▲同飛という筋を防ぐ。
▲7八金寄 △7二金寄 ▲3八飛 △4四角 ▲5九角 △6四歩
▲1五角
*端歩が突いていないので起こる角出。
△4一飛 ▲2八飛 △6五歩 ▲2四歩 △同 歩 ▲3七角
△3五歩 ▲2四飛 △3六歩 ▲8二角成 △同金上 ▲2三飛成
△3五角打
*浮き駒を狙った手。
*この手が大きい。本局のポイントとなる。
▲6八銀 △6六歩 ▲5五歩 △6一飛 ▲6二歩
*銀は取れない。△6七歩成りから飛車角が一変に利いてくる。
△同 飛 ▲2一龍 △5五角 ▲7一銀 △6七歩成
*踏み込む。ここからしばらくお互い激しく捻りあう。
▲6二銀成 △7八と ▲7二成銀 △8八と ▲同 金 △7二金
▲3一飛 △8二金打 ▲3五飛成 △6七歩
*駒損だが3五の龍が働いていない。
*金銀の数は後手が多い。手番も握っている。
*後手がやや有利か。
▲同 銀 △6六歩 ▲同 銀 △同 角 ▲7九金
*△5七角成りが見えているが7八金だと6九銀からガリガリやられる。
*▲3五の龍は遊んでいるからとられてもあまり痛くない。
*穴熊流の独特の感覚。
△5七角成 ▲6四桂 △7九馬 ▲7二桂成 △同 金 ▲6四角
*合い駒を打ってもらわないと先手玉は詰まされてしまう。
△8二銀 ▲3一龍上 △7一金打 ▲7八金打 △同 馬
*逃げると固められた上に手番を渡してしまう。
*この角には随分と活躍してもらった。
▲同 金 △6一歩 ▲3三角 △6九銀 ▲6八金 △7八金
▲6九金 △同 金 ▲2八龍 △6五銀 ▲7八銀 △6八銀
▲6七歩 △7六銀 ▲7七歩 △6五銀
*優勢なので角道を止めたことに満足する。
*厳密にはここで踏み込めば寄せきることが出来たがソフトではないのだから無理はしない。
▲2四角成 △5六桂 ▲3六龍 △7九金 ▲6八龍 △同桂成
▲同 馬 △7八金 ▲同 馬 △2四飛 ▲8二角成 △同金上
▲2五歩 △5四飛 ▲5五歩 △同 飛 ▲6四桂 △7一金
▲6三銀 △5八飛成 ▲6八金 △5五龍
*切らしに行く。
▲3四龍 △5四銀 ▲7二銀打 △同金上 ▲同銀成 △6四龍
▲7一金 △6二金 ▲8一金 △同 金 ▲同成銀 △同 玉
▲6六桂 △5五角 ▲5四桂 △同 龍 ▲同 龍 △同 歩
▲6五金 △1九角成 ▲3七桂 △5六桂 ▲7四金 △7二銀
▲3一飛 △3九飛 ▲6九金 △同飛成 ▲同 馬 △6八銀
▲7八馬 △7九銀打 ▲7三銀 △8八金
まで164手で後手の勝ち
*穴熊独特の戦い。
*次々と駒を打って足していく。
*重くても確実な受けと攻め。
*飛車や角などはどんどん相手の金銀をはがして手番を握る。
*他の戦形よりもさらに金銀の数が重要となる。
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