第9期リコー杯女流王座戦二次予選。山田久美vs加藤結李愛

開始日時:2019/06/03 10:00
終了日時:2019/06/03 16:31
表題:第9期リコー杯女流王座戦二次予選
棋戦:女流王座戦
戦型:雁木
持ち時間:各3時間
消費時間:131▲152△180
場所:東京・将棋会館
備考:昼休前32手目▲41分△78分\n
先手:山田久美女流四段
後手:加藤結李愛女流2級

*第9期リコー杯女流王座戦の二次予選。
*山田久美女流四段-加藤結李愛女流2級。
*対局は東京・将棋会館「雲鶴」で行われ、6月3日(月)10時開始。持ち時間は各3時間(チェスクロック使用)。切れたら1手60秒未満の着手となる。
*
*本局の勝者は本戦入りとなる。また、加藤は勝つと女流1級への昇級も決まる。山田の振り歩先で行われた振り駒の結果は歩が4枚。山田の先手番に決まった。
▲7六歩 △3四歩 ▲6六歩 △8四歩 ▲6八銀
*山田は本局が今年度初対局。昨年度成績は7勝12敗(0.368)。通算成績は372勝357敗(0.510)。
△6二銀
*加藤の今年度成績は4勝0敗(1.000)。昨年度成績は5勝8敗(0.385)。通算成績は9勝8敗(0.529)。
▲6七銀
*角道を止めて▲6七銀と上がる。山田は力戦派の居飛車党。
△5二金右
*加藤は現役女流棋士では最年少。居飛車党で、角換わりや矢倉も用いる。これまでの17戦を見る限りはねじり合いに強く、終盤で競り勝つ将棋が多い。
▲7八金 △8五歩 ▲7七角 △4二玉 ▲2六歩 △7四歩
*両者は本局が初手合い。
▲2五歩 △3三角 ▲4八銀 △7三銀
*玉の囲いをそこそこに、右銀を繰り出す。
▲5八金 △2二銀
*△2二銀と上がって2筋からの攻めに備えておく。
▲3六歩
*3筋を突いて攻め味を見せる。
△7五歩
*25分考えて△7五歩、勢いよく仕掛けていった。
▲5六歩 △6四銀
*11時4分の着手。△6四銀までの消費時間は、▲山田14分、△加藤49分。
▲6五歩 △同 銀 ▲7五歩 △5四銀 ▲6九玉 △3二玉
▲5七銀
*12時、この局面で加藤が8分使って昼食休憩に入った。消費時間は▲山田41分、△加藤1時間18分。昼食の注文は両者ともなかった。対局は12時40分に再開。
△8四飛
*対局再開。昼食休憩後の指し手。
*じっと飛車を浮く。
▲4六歩 △1四歩 ▲3五歩 △同 歩 ▲6六銀右 △6四歩
▲3四歩 △5一角
*角を引いて辛抱する。
▲3八飛 △8六歩
*14時ちょうどの着手。△8六歩までの消費時間は、▲山田1時間7分、△加藤2時間12分。
▲同 歩 △4四歩 ▲3五飛 △4三金 ▲7六銀 △3三歩
▲同歩成 △同 銀
*△3三同銀と取り、上部はかなり厚くなった。
▲8五歩
*8筋の突き捨てを逆用。
△3四歩 ▲3七飛 △8二飛 ▲7四歩 △7三歩
*歩を合わせて押さえ込みの網を破りにかかる。
▲7五銀右 △7四歩
*この△7四歩の取り込みは大きい。△7三桂の活用が可能になった。
▲6四銀 △6三歩 ▲5五銀 △7五歩 ▲8七銀
*引き下がって辛抱。
*しかし54手目の局面と比較すると、後手の息苦しさが解消された感じ。
△5五銀 ▲同 角 △6四銀 ▲8八角 △8五飛 ▲6二歩
△同 角 ▲7四銀 △8四飛 ▲6三銀成 △7三角 ▲8五歩
△同 飛 ▲7三成銀
*▲8五歩を利かしてから角を入手。
△同 桂 ▲6三角
*入手した角を打ち、飛車をいじめていく。
△8四飛 ▲2四歩
*▲8五歩とはせず、ここで後手玉を直接攻めていく。
*
△同 歩 ▲2二歩
*歩の手筋を駆使して揺さぶる。
△8六歩
*▲2二歩は手抜きで、△8六歩を利かす。
▲9八銀 △6二歩
*細かい利かし。
▲9六角成 △8五銀
*この手で持ち時間を使いきった。
▲9五馬
*馬取りをかわしつつ、逆に飛車取り。
△8一飛 ▲2一歩成 △9四歩 ▲6七飛
*ここで飛車を回る。
△9五歩
*黙って馬を取る。
▲6四飛
*銀を取りつつ、次の▲6二飛成を狙う。
△5二金 ▲4五歩
*今度は4筋から。8八角と連動しており、これも厳しい。
△6三歩 ▲6八飛 △7六銀
*この手で100手に達した。△7六銀までの消費時間は、▲山田1時間58分、△加藤3時間0分。
▲4四歩 △同 銀 ▲3六桂 △3五角
*攻防の角で応戦。
▲4四桂 △同 金 ▲3三歩
*先手の厳しい攻めが続く。
△4二玉 ▲4三歩 △同金引 ▲3二歩成 △同 玉
*△5一玉は▲7二銀と挟撃されていけない。
▲2二角成 △4二玉 ▲7二銀
*挟撃の態勢を作る。
△8四飛
*形勢は後手が苦しいが、まだ寄り筋に入ったわけではない。
▲6一銀成
*5一の退路を封鎖。
△3三金
*△3三金と寄って4三に逃げ道を作る。粘り強く指して決め手を与えない。
▲4五歩 △6五桂 ▲同 飛
*読み切り勝ちか。
△同 銀 ▲5五桂 △3九飛 ▲5九金
*
△5一金 ▲3三馬
*以下詰み。
△同 玉 ▲2二銀 △3二玉 ▲4三金
*この局面で加藤が投了した。以下(1)△2三玉には▲3三金△1二玉▲1一とまで、(2)△4一玉には▲3一とまで、いずれも後手玉は詰み。終局時刻は16時31分。消費時間は、▲山田2時間32分、△加藤3時間0分。
*勝った山田は本戦入りを決めた。
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*※局後の感想※
*本局の感想戦は行われなかった。インタビューでは山田は「(81手目)▲2二歩がおかしかったと思います。代えて▲8五歩と突くのでしたね」と話した。
*それなら先手が手厚かったようだ。終盤は加藤の粘りから際どい戦いになったが、121手目からの寄せで振りきった。
まで131手で先手の勝ち

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