第9回朝日杯将棋オープン戦準決勝。村山慈明vs羽生善治

開始日時:2016/02/13 10:30
終了日時:2016/02/13 12:30
表題:第9回朝日杯将棋オープン戦準決勝
棋戦:朝日杯将棋オープン戦
戦型:角換わり腰掛け銀
持ち時間:各40分
消費時間:108▲40△40
場所:東京・有楽町朝日ホール
先手:村山慈明七段
後手:羽生善治名人
*第9回朝日杯将棋オープン戦(朝日新聞社主催)の準決勝と決勝は、毎年恒例の東京都千代田区「有楽町朝日ホール」での公開対局。
*持ち時間は各40分(チェスクロック使用)。使いきると一分将棋。
*過去の対戦成績は羽生3勝。
*2011年5月の第52期王位戦白組プレーオフ以来、約5年ぶりの対戦。
▲2六歩 △8四歩 ▲7六歩 △3二金 ▲7八金 △8五歩
▲7七角 △3四歩 ▲8八銀 △7七角成 ▲同 銀
*戦型は角換わりになった。
△4二銀 ▲3八銀 △7二銀 ▲9六歩 △6四歩
*最近は後手が9筋を受けない指し方が増えている。
▲4六歩 △6三銀 ▲4七銀 △4一玉 ▲6八玉 △3一玉
▲5八金
*対局者に水が差し入れられた。
△5四銀 ▲3六歩 △5二金 ▲5六銀 △4四歩 ▲7九玉
△7四歩
*対局開始から7分。定跡形なので指し手が早い。
▲6六歩
*先手が9筋の位を取るか、後手が9筋を突くかどうかが注目される。
△7三桂
*△7三桂が指されると、村山は手で顔を覆ってうつむいた。
▲2五歩
*10時40分、村山が2六の歩をつまんで▲2五歩と指すと、羽生はウンウンと大きくうなずいた。
△3三銀 ▲3七桂
*端歩以外は先後同型。後手は攻めるか、端歩を突くかの岐路。
△6五歩
*後手から仕掛ける将棋になった。
*局後の感想で「△1四歩と突いた将棋を最近指した2回戦の対郷田戦が、あまりうまくいかなかったので変化した」と羽生。
▲同 歩 △1四歩
*なんと、このタイミングで。いわゆるツツカナ新手(4二銀型で△6五歩▲同歩△3三銀とする)の応用。
▲4五歩
*5分以上使って▲4五歩と攻め合った。
△同 歩 ▲3五歩
*手筋。△同歩なら▲4五桂△4四銀に▲2四歩△同歩▲2二歩△同金▲2四飛と攻めたときに十字飛車。
△4四銀
*△4四銀は受けの手筋で、▲3四歩には△3六歩。
*双方飛車側の端歩を突いていない。
*端攻めをしにくく、攻撃力が普段よりも劣る。
*指し方に工夫が求められる。
▲1六歩
*ここで端。村山は端攻めを絡めないといけないと見たか。
*羽生の△1四歩(38手目)も珍しいタイミングだが、この▲1六歩もなかなか指しにくい手。
△6五桂 ▲6六銀 △7三角
*これは珍しい手。
▲5九角 △8六歩 ▲同 歩 △8五歩
*「3歩持ったら、継ぎ歩に垂れ歩」と格言にある。
▲同 歩 △8六歩 ▲1五歩 △同 歩 ▲1三歩
*△同香は▲1四歩△同香▲2四歩△同歩▲同飛で香を取れる。端は受けにくい。
*局後の感想▲1三歩は手抜くしかありませんと羽生。
△5五銀左
*羽生はこのタイミングで攻め合った。
▲同銀左 △同 銀 ▲6五銀
*局後の感想▲8四銀は△5六銀▲7三銀成△8七銀で後手やれる。
△8七歩成
*48手目△8六歩のころから狙っていた攻め。
▲同 金 △8五飛 ▲7八銀
*村山は手堅く受けた。
△6五飛
*こう進んでみると、△7三角と離して打ったことで飛車が広い。
▲6六歩
*失着。▲1五香が有力だった。
△同 飛 ▲2四歩 △同 歩 ▲2二歩
*手筋の攻め。
△同 玉 ▲1五香 △8六歩 ▲同 金 △8五歩
*さらに金を攻める。▲同金なら先手は薄くなる。
*▲8七金は8筋に拠点ができる。
▲8七金
*▲8五同金は△8七歩▲同銀△8八歩▲同玉△6九飛成といった筋があった。
△6八歩
*応手の悩ましい手だ。
▲1二歩成 △同 香 ▲同香成 △同 玉 ▲6七歩 △4六飛
▲4七歩 △1六飛 ▲1七歩 △3六飛 ▲1六桂 △2二玉
▲2四桂
*駒損の村山は手を作っていかないとつらい。
△2七歩 ▲3二桂成 △同 玉 ▲2九飛 △8六香
*後手優勢。
▲3四歩 △8七香成 ▲同 銀 △8六歩
*攻めの筋だ。
▲同 銀 △8七銀 ▲6八金 △8八歩
*着実な攻め。
▲6九玉 △8九歩成 ▲3八香
*逆転を狙って、懸命の粘り。
△4六桂
*「玉は包むように寄せよ」。
▲同 歩 △4七銀 ▲投了
*羽生は6回目の決勝進出を決めた。
まで108手で後手の勝ち

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