実戦と詰将棋の違い論議

詰将棋として出題されて解くことができても実戦で詰ますことができるかどうかは別問題である。

詰将棋は詰む事が分かっている。
実戦と違い余計な駒は基本的には配置されていない。
詰んでも持ち駒はもちろん余る。
1手30秒なら迷う。
自分の玉が危険ならば詰ましにいくかどうか悩ましい。

プロでも詰みを逃すことは普通にある。
羽生がタイトル戦で10分考えて逃した詰みもソフトなら0.03秒で詰ました。
そこまで難解な形勢でなくてもプロが普通の5手詰めとかを逃すこともある。
NHK杯や銀河戦などの局面でソフトだと読みきって詰みなのに解説者も対局者もだれも気がつかないということは普通にある。
ソフト指しの議論でも述べたがネット道場だとありえない終盤力の人を見かける。
逆に詰むかどうか分からず踏み込んで相手が変な無駄合いとかしてくる。完全に読みきっているらしい。

プロといえども人間だから詰むかどうかを読みきるのはソフトに勝てない。
詰将棋で出題されれば10秒で分かっても実戦で詰ます事ができるかどうかは別問題だ。
対局していないなら緊張感もないからリラックスモード。
実戦でも解説で悪手を指摘できても実戦で自分が指すとなれば別問題。

簡単な詰将棋を解くというトレーニングはバカにできない。

詰将棋と実戦が別物と考える詰将棋マニアだとまた話は変わってくるらしい。
米長邦雄みたいに実戦と詰将棋を関連つけたりするほうが普通だと思う。

指し将棋をまったく指さずに詰将棋だけやる人からするとどうなのだろうか。
パズルと考えてしまうから価値観や出題に対する考え方も大分違う。
芸術的な詰将棋なども多数ある。
詰将棋パラダイスなどの作品を見ると詰将棋が指し将棋とは何か違うものに見えてくる。

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